手話を楽しく学ぶ!手話の魅力を伝え、地域の福祉向上を目指す「品川手話サークル」

手話を楽しく学ぶ!手話の魅力を伝え、地域の福祉向上を目指す「品川手話サークル」
地域共創(大崎×五反田LINK独自記事)

手話の学習や聴覚障害の問題の学習、聴覚障害者の方との交流を通じ、地域の福祉向上を目指す「品川手話サークル」。手話が未経験の方でも参加することができます。今回は、会長の白鳥さんをはじめとする会員の皆さまに、活動内容や手話の魅力・難しさについてお伺いしました。

はじめたきっかけは人それぞれ。楽しみながら手話を学び実践する

「品川手話サークル」が設立されたのは1975年。2024年3月時点の会員は96人で、来年で50周年を迎えるサークルです。現在の会長である白鳥さんは約10年前に会長に就任しました。白鳥さんが手話をはじめたのは、お子さんが特別支援学級に通っていたこともあり、品川区に手話の講習があることを知ったことがきっかけです。それ以外にも、お子さんの幼稚園の卒園式で出し物として手話ダンスをしたことがあり、東京オリンピックが決定してから6年間で何か身につけてみようと思った方、手話を使って遠くにいる人と会話する光景を見て興味を持った方、手話通訳を見て「手話」というコミュニケーションがあると知った方、手話のドラマや演劇を見て手の動きの美しさが印象に残った方など、会員の皆さんが手話をはじめた理由は様々です。

サークルには「昼グループ」「夜グループ」「五反田グループ」があり、会員の方は自分が通いやすい時間・場所を選んで参加することができます。(自分が所属するグループ以外の活動も参加可能)。国名やことわざの表現方法、今後挑戦してみたいことを手話で発表、手話を使った伝言ゲームやしりとり、検定試験の読み取り練習など、活動内容は毎週変わります。耳が聞こえない方/聞こえる方どちらも楽しく交流できるような工夫がされています。また、品川区聴覚障害者協会と合同で納涼祭やクリスマス会(忘年会)が開催されます。サークルの広報誌も毎月発行されており、各グループの活動報告やイベントのお知らせ、ニュースの共有など充実した内容です。

広報誌では各グループの活動の様子を知ることができます。

他にも、旗の台の心身障害者福祉会館で行われる会館まつり、中小企業センターのふくしまつりなど、地域の福祉に関するイベントに品川区聴覚障害者協会のお手伝いとして参加します。

「コロナ禍で活動が制限されてしまったときが一番大変でした」と白鳥さんは振り返ります。「一度でも全ての活動を止めてしまったら、再開することが難しくなると思い、週1回の活動を月1回にして参加できる方のみ参加してもらいました。去年くらいからコロナ前の活動頻度に戻すことができました」。

聞こえない人/聞こえる人の言葉・文化の違いを理解する

「活動する中で気をつけているのは、聞こえない/聞こえるに関わらず平等にコミュニケーションが取れるよう、活動中は手話を使うことです。また、耳が聞こえない方/聞こえる方の文化は違うのだと理解し、お互いに認め合うことも大切なのだと実感しました。お互いに知っていて当たり前と思うことを知らないこともあります。また、手話でコミュニケーションを図る際は主語を明確にし、曖昧な伝え方にならないよう気をつけています」と事務局長の橋本さんが教えてくれました。

日本語と英語が違うように、聞こえる人が話す言葉と手話も全く別の言語だと白鳥さんは話します。「日本で使用されている手話には主に日本語対応手話と日本手話の2種類があります。日本語を喋る時とは文法や語順が異なることもありますが、完璧でないと手話を使ってはいけないということではありません。手話にも方言がありますし、その人によって手話の癖があります。手話だけでなく身振りや筆談を駆使し、とにかくコミュニケーションして慣れることが大切です」。

活動の様子

”見る”言語である「手話」の魅力を伝え、地域福祉に貢献したい

会員の皆さんは、実際に手話を使って学習することが大切だと話してくれました。「品川手話サークルに通い始めてから、教材やドラマの手話がいかに綺麗に整えられた手話なのかがわかりました。独学だとわからない・気付けない部分も、実際に手話を使いながら学習できる場があるのは非常にありがたいです」。

白鳥さんは、活動を続ける理由を「使命感」だと話します。「手話を学び始めて、耳が聞こえない方が何に困っているのかを知ることができました。例えば災害時に避難所で音声のアナウンスだけでは何が起きているのかわかりません。文字にしないと伝わらない人もいるのです。それ以外にも、手話を始めたからこそ気付いたことがたくさんあります。こうして関わった以上は、知らない方にも知ってもらえるよう啓発活動がしたいと思います。手話を使った通訳は資格がないとできませんが、それ以外でも手話の学習経験を活かして地域福祉に貢献できる方法がもっとあるはずなので、今後も活動を続けたいです。

2025年はデフリンピック(4年毎に開催される耳が聞こえないアスリートのためのスポーツ競技大会)の記念すべき100周年の大会が東京で開催されます。広報活動やボランティアなど、何かの形で品川手話サークルとして関わりたいです」と意気込みを教えてくれました。

最後に、手話の魅力について白鳥さんにお伺いしました。「手話は”見る”言語のため、手の動き1つで感情や話の情景が伝わります。手以外の顔や体全体で表現して伝えることができる、魅力的な言語です。ぜひ、大崎×五反田LINKの読者の皆さんも一度触れてみてください。少しでも興味が湧いたら、ぜひ品川手話サークルに見学に来ていただきたいです」。

(古郡 優)

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