子どもの貧困問題を解決し、家庭環境による格差のない社会をつくる。

地域共創(大崎×五反田LINK独自記事)

品川区内の町会「夕陽会」で理事を務める大塚怜代さん。公認会計士として仕事をしながら、品川区内外でさまざまなボランティア活動に取り組んでいます。今回は、大塚さんの活動内容や、ボランティア活動の考え方についてお伺いしました。

「私が何かしなければいけない」と強い思いで活動をスタート。

__大塚さんのご経歴、ボランティア活動をはじめたきっかけを教えてください。

大学時代に公認会計士の資格を取得し、監査法人に就職しました。大学時代の児童養護施設でのボランティア経験から、ボランティア活動への意欲はあったものの、仕事で多忙な日々が続いていました。結婚し、親になったときに児童虐待のニュースを目にし、「私が何かしなければいけない」と強く思ったんです。私が公認会計士という難関資格に合格できたのは、自分の努力だけでなく家庭環境が整っていたからです。自分が環境に恵まれていた分、社会に貢献する必要があると考えました。ボランティア活動は自分に余裕がなければできません。ボランティア活動の時間を作るために家庭を犠牲にしては本末転倒です。それなら仕事を辞めるしかないと思い、退職しフリーランスになりました。同時に、家庭環境による格差をなくし、子どもの貧困問題をなくすための活動をスタートしました。
現在は、家庭の時間は確保した上で、労働時間(基本的には平日)の5%〜10%をボランティア活動に、収入の2%を寄付に充てています。

__大塚さんのボランティア活動について教えてください。現在、複数のNPO法人に関わっていらっしゃいますよね。

特定非営利活動法人サンカクシャ」は15歳から25歳くらいまでの若者を対象とした居場所づくりの活動をしています。行政の支援は18歳までが対象となることが多く、高校卒業後の支援や居場所がなく困っている人々が多いのです。私は数ヶ月に1度、記帳代行の仕事を依頼し、私が隣で教えながら記帳代行の実務機会を提供しています。

一般社団法人母親アップデート」は「母親を、もっとおもしろく。」をミッションに母親という固定観念をアップデートする団体です。私は監事として会計面のアドバイスやサポートを行っています。

その他にも、学生向けに学習支援や進路相談を行う「NPO法人テラコヤ」や、脱毛症や治療による副作用など、様々な理由により髪がなくなる「ヘアロス」の症状をもつお子さまや、当事者、ご家族のコミュニティ「特定非営利活動法人Alopecia Style Project Japan(ASPJ)」でも会計のアドバイスという形で運営のサポートをしています。

__この周辺の地域では、「夕陽会」の子ども会の担当や、​​「一般社団法人めぐもり」の活動に積極的に参加されていますよね。

1つは「フードバンク」です。この辺りでのフードバンクの寄付がなかなか集まらない…という話を聞き、毎週水曜日にE-parkで開催されている「モーニングパーク」で寄付を募りました。お米やお中元など、品質には問題ないけれど消費しきれない食品を皆さんに持ち寄っていただき、2023年度は1年間で約100キロ集めることができました。今年度も引き続き活動しています。

2つ目は、2024年4月から開始した池袋発祥のCCC(Cleanup & Coffee Club:ゴミ拾いをした後にコーヒーを飲みながらおしゃべりをして、人々がゆるく繋がるコミュニティ)です。目黒MARC周辺でゴミ拾いをし、最後に広場でコーヒーを飲みながら自由にお喋りします。月1回開催しており、4月は参加者が15人だったのが、6月時点で30人になりました。

ボランティア活動を通じ、世代関係なく交流が生まれる。

__活動の中で印象に残ったエピソードを教えてください。

フードバンクの際に、「社会貢献のために何かしたかったけど、これまではチャンスがなかった。フードバンクのおかげで社会貢献活動をすることができた。」と言ってくれた方がいました。潜在的に社会貢献したいと考えている人はたくさんいると思うので、その方の意向にマッチする活動を紹介できるようになりたいと思います。

また、活動を通じて「こんなに面白い人がいるんだ」と感じる人と出会い、友達になることができました。ボランティア活動を始める前は、こんなに友達ができるとは思っていませんでしたが、仕事や自分の周辺だけでは接点がなかった人とも、「社会貢献」「地域活動」を共通点に世代関係なく交流できることが楽しいです。

__今後の目標について教えてください。

個人では、さまざまな社会課題を知り、常に当事者意識を持てるようになりたいです。活動する中で知ったマイノリティの世界もあり、当事者でないと感度や意識が低くなってしまうのだと痛感しました。

活動を通しての目標は、子どもの貧困問題を解決し、生まれた家庭による格差のない社会をつくることです。また、日本にもっと寄付文化が根付いてほしいと思います。寄付は特別なことではないのだと知っていただきたいです。

__最後に、大崎×五反田LINKの読者にメッセージをお願いします!

E-parkの「モーニングパーク」で実施しているフードバンクと目黒MARC周辺で開催しているCCCにぜひご参加ください!子育て世代、大学生、ご高齢の方までさまざまな人と交流することができます!地域でゆるく繋がりましょう!

(古郡優)

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