大崎・五反田をこども達が暮らしやすい街に。ITをきっかけに地域を繋ぐモノプロしながわ。

大崎・五反田をこども達が暮らしやすい街に。ITをきっかけに地域を繋ぐモノプロしながわ。
地域共創(大崎×五反田LINK独自記事)

一般社団法人モノづくりXプログラミング for Shinagawa(通称:モノプロしながわ)は、子ども達が暮らしやすい地域を目指し、ITを駆使して様々な支援活動を行っています。活動内容やモノプロしながわで実現したい夢について、代表理事の杉本 将輝さん(写真左)と事務局担当理事の山下 聖さん(写真右)にお話を伺いました。

プログラミング教育やオンライン配信など、ITを軸に地域の子ども・若者を支援。

_まずは、お二人と大崎・五反田地域の関わりについて教えてください。

杉本さん(以下、杉本):私は神奈川県出身ですが、24年ほど前に戸越の辺りに引っ越しました。息子が通っていた小学校でPTAの活動を始めたことが、大崎・五反田地域で活動するようになったきっかけです。

山下さん(以下、山下):私は生まれも育ちも品川区で、ボーイスカウトで活動していたこともあります。高校を卒業してからアメリカの大学に通い、通信系の企業に務めた後、五反田に戻りました。私が代表を務めるソシオネット株式会社も五反田にオフィスがあります。

_「モノプロしながわ」の設立経緯と活動内容について教えてください。

杉本:法人として設立したのは2017年ですが、それより前から団体として存在していました。息子が通っていた小学校でPTA会長になった際、校長先生からプログラミング教育を取り入れたいと相談をいただき、お手伝いしたのがスタートです。当時の中心メンバーと話す中で、プログラミング教育だけでなく、ITという軸で地域の子ども達を支援できる活動がしたいと思い、2017年に法人化しました。

山下:2020年に小学校でのプログラミング教育が必修になり、先生向けの支援と、子ども向けにプログラミングを教えることが最初の活動でした。2020年に品川区立日野学園の支援を開始した直後、新型コロナが流行し、学校が休校になりました。その際、このまま子ども達がお互いの顔を見ないまま新学期を迎えることに危機感を抱き、PTAや先生方と協力し、学校に行けなくても、せめて朝学活だけでもオンラインで実施しようと動きはじめました。日野学園は9学年あるため、使えるPCを全クラス分かき集め、私たちが必要な設定を行い、毎朝先生方の隣でオンライン朝学活のサポートをしました。全ての学年のサポートを行っていたため、当時はほぼ毎朝学校にいたと思います。その後、オンライン朝学活を知った他の学校からもお声かけいただき、同様の支援を行いました。

3Dモデリング体験(品川区立京陽小学校PTA家庭教育学級)の様子

_教育現場のオンライン化に関するセミナーも実施されていましたよね。学校以外に向けたIT支援についても教えていただきたいです。

杉本:品川地域のNPO団体向けにもIT支援を行っています。例えばイベントのオンライン配信や動画編集など、ITで解決できる課題をお持ちのNPO団体はたくさんあります。モノプロしながわの既存メンバーだけでは人手が足りず、一緒に活動してくれるメンバーを増やしていく必要があると感じました。そこで、品川区の「子ども若者応援フリースペース」の若者たちと一緒にオンライン配信チーム「おはもふ」を立ち上げました。若い年代の方はオンラインに抵抗がなく、ITに興味がある方も多いので、親和性が高いと思ったからです。オンライン配信以外にも、紙資料のデジタル化も行っています。ITスキルは将来どんな仕事に就いても役に立ちますし、「おはもふ」の活動が彼らと社会の接点になれば良いと考えています。

「おはもふ」活動の様子

山下:定期的に実施しているイベントは「デジタルキッズ」という小学生向けのイベントです。プログラミングやロボットなど、内容も様々です。未経験でも楽しめるイベントなので、ぜひ気軽に参加してほしいです。

【デジタルキッズ 概要】

日時:毎月第3日曜日 10:00-12:00
場所:コミダスTKD (東京都品川区大崎3-10-16 MiCasa 1F)
費用:無料

イベント詳細はこちら

ITの便利さや楽しさをきっかけに地域を繋ぎ、子どもたちが暮らしやすい街をつくりたい。

_様々な方を対象に活動されているかと思いますが、モノプロしながわの活動に対する反応はいかがですか?

山下:「デジタルキッズ」に参加した子ども達からは「楽しかった!また来たい!」と言ってもらえるのが嬉しいですね。

杉本:一人一人、プログラミングへの向き合い方が違うので面白いですよ。説明を聞いてすぐにはじめる子もいれば、まずは絵を描き、自分なりに理解してからはじめる子もいます。どんな形であれ、子ども達のプログラミングの入り口になれば嬉しいです。

デジタルキッズの様子

山下:オンライン配信チーム「おはもふ」に参加する若者は、仕事として活動に取り組むことで、本人たちの自信に繋がっていると思います。彼らの親御さんから、「以前と比べてよく話すようになり、対人関係がうまくいくようになった」と言っていただいたことがありました。それだけでなく、「おはもふ」の仕事の中で若者たちが評価されるのを見ると嬉しい気持ちになりますね。

杉本:もともと「子ども若者応援フリースペース」ではバラバラに交流していたのが、「おはもふ」のチームとして一緒に活動できるようになったのも良い影響だと思います。失敗しても私たちがカバーしますし、山下が丁寧にコミュニケーションを取っているからこそ、良い形で彼らと活動できているのだと感じます。

_お二人ともお仕事や別の活動を行いながら、モノプロしながわの活動もされていますよね。多忙な中、モノプロしながわの活動を続ける理由や思いについて教えてください。

杉本:最初、自分の子供が通う学校で活動がスタートした際のモチベーションは「自分の息子のためにも、この活動を続けたい」という気持ちでした。活動を続ける中で、息子の友達、同じ学年・同じ学校の子ども達…という風に、支援する子どもが増えていきました。その対象がどんどん広がっていき、品川地域の子どもを中心に、「この子達にとって暮らしやすい地域にしたい。そのためにも、ITの力で地域をより良くしたい」と自分の息子に対する気持ちと同じように思うようになりました。モノプロしながわの原点であり、私の願いです。

山下:いつも近くで活動する中で、杉本は自分の子どもに向ける愛情と同じ熱量で、地域の子ども達のことを考えているのだと実感します。私も活動する上で杉本と同様の思いがありますし、自分自身が生まれ育った品川地区をITの力でより良くしたいという思いもあります。

イベント「デジタルフォト散歩」の様子

_モノプロしながわの目標や、お二人が今後やってみたいことを教えてください。

山下:最終的な目標は変わらず、「子ども達が暮らしやすい地域を作ること」です。モノプロしながわの活動では、地域の学校・NPO団体・企業との接点が多いため、それぞれの関係を繋いで、地域をよくするためにお互いが連携できるきっかけになりたいと考えています。

_最後に、お二人からメッセージをお願いします!

杉本・山下:モノプロしながわは色々な活動・繋がりを通じて、大崎・五反田地域が子どもにとって暮らしやすいエリアになることが夢です。神輿の担ぎ手の募集から割り箸鉄砲の作り方など、IT以外でもできること・できる人を知っています。ぜひ、色々とお声かけいただけると嬉しいです!

杉本さん(左)、山下さん(右)

(古郡優)

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