空を見上げて、星を探そう!(はなぐるま 154号)

プラネタリウム(投影機)
第154号(2021.8.20発行)

秋の夜長に星空観察

「惑星の金星、木星、土星が、明るくて見つけやすいですよ」と教えてくれたのは、品川区立五反田文化センタープラネタリウムの星空解説員・白木淳子さん。9月初旬の場合、日が沈んだ後の西の空で輝く金星を見ることができます。とても明るく光るので、時おり問い合わせの電話がくるほどだそう。午後8時ごろになると、木星と土星が南東の空に並びます。東側の明るい星が木星、そのとなりが土星です。


明るい星が少ない秋の星空で目を引くのが、ただひとつの1等星、みなみのうお座のフォーマルハウト。うお座とは別の星座で、南東の空の低い位置できらめいているので、ぜひ探してみましょう。

東京の星空イラスト(2021年9月中旬午後8時ごろ)/提供 国立天文台

東の空に見える秋の四辺形は、「すっきり晴れた日にまぶしい光を避けて見つけてください」と白木さん。9月中なら、南の空の高いところで輝く夏の大三角形のほうが見つけやすいそうです。


やや見つけづらい秋の四辺形ですが、4つある星のひとつが含まれるアンドロメダ座の神話を教えていただきました。


美貌を持つアンドロメダ姫の母カシオペア王妃は、海神ポセイドンの娘よりも自分の娘のほうが美しいと自慢して怒りを買います。ポセイドンが怪物クジラを使って災いをもたらすと、海神の怒りを鎮めるため、姫は海岸の岩に鎖でつながれてしまいます。


それを見つけたのはペルセウス王子。メデューサの首を切って倒し帰路に向かう途中でした。王子は、この首を使い怪物クジラを石にして姫を助け、やがてふたりは、めでたく結ばれました。


白木さんは、「星座の図鑑や本があると神話や天体のことがわかり興味が広がります。実際に星が見えなくても想像する楽しみがふえますよ」と語ります。

星図やアプリでもっと楽しく

星空観察を楽しむ時にあると便利なのが星図や星座早見盤。同施設では2ヶ月ごとにプリントを配布しています。手元を照らすライトを持参する場合は、赤いフィルターやスーパーのビニール袋、薄手のハンカチなどをかけるのがおすすめ。まぶしくならないので、暗い空に慣れた目への影響が少なくなります。

星空道具一式

最近は、無料の星空アプリを利用する人もふえているそうです。スマホを空に向けてかざすだけで星座が表示されるほか、時間を進めたり戻したりして探している星が何時ごろ出るかを確認することも可能。同解説員の馬上千優さんは、「スマホの方位磁針は不正確なこともあるので、上手に活用しながら星空を眺めてください」と呼び掛けます。


「都会にいながら満天の星空を体験できるのがプラネタリウムの魅力」と白木さん。星空観察やプラネタリウムで、季節の移ろいを感じてみませんか。

(若松 渚)

投影機

★品川区立五反田文化センタープラネタリウム
西五反田6-5-1。詳細はホームページ。03-3492-2451。※入場制限あり

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