斎場から生まれる地域のつながり。桐ヶ谷斎場の「地域感謝の集い」

西五反田にある桐ヶ谷斎場をはじめ、都内に6か所の総合斎場を展開する東京博善株式会社さま。各斎場では年に1度、施設を一般開放し「地域感謝の集い」を開催しています。様々なイベントや出店が用意され、2024年に行われた桐ヶ谷斎場の「地域感謝の集い」では、子どもから大人まで地域の方々691名が来場しました。

今回は、桐ヶ谷斎場所長の舩野大さん、マーケティング部部長の浜田勝俊さんに「地域感謝の集い」をはじめたきっかけや思いについてお話を伺いました。

「地域感謝の集い」を通じ、地域に貢献したい

__まずは、「地域感謝の集い」をはじめたきっかけについて教えてください。

舩野さん：桐ヶ谷斎場は、現在は斎場の向かいにある霊源寺の境内の荼毘所（だびしょ）として江戸時代に誕生し、1918年に現在の場所に移転して以来、100年以上にわたり地域の皆様に支えられて運営を続けています。ただ、斎場という施設の性質上、普段は気軽に立ち寄れる場所ではありません。地域の方々の中には「近くにあるけど中がどうなっているのかよくわからない」と感じる方や、斎場＝暗いイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。住宅街で斎場を続けられるのは、地域の皆様の理解と支援があってこそです。「地域感謝の集い」は、お世話になっている地域の皆様に日頃の感謝をお伝えすると同時に、私たちについて知っていただき、気持ちよくご協力いただけるような関係を築きたいという思いで始めました。

__「地域感謝の集い」ではどのようなイベントが開催されていますか？

舩野さん：地域の様々な団体様にご協力いただき、幅広い年齢層が楽しめるようなプログラムを用意しています。まず、普段は入る機会の少ない斎場内部の見学会を実施しています。また、しながわ学院エンタ部のダンス発表や、落語の寄席・ワークショップも開催しています。
安全・安心な地域づくりの観点から、大崎警察署による白バイ・パトカーの乗車体験や、品川消防署による消火訓練、防災セミナーも実施しています。さらに、地域の福祉に貢献するため、障害者就労支援施設の方々による出店も行っています。

2024年度のイベント内容

__「地域感謝の集い」を開催する上で大切にしていることは何ですか？

浜田さん：楽しんでいただくことはもちろんですが、防災・防犯セミナーなど、参加者の皆様の生活に役立つ企画を心がけています。私をはじめ本社からは約30名のスタッフが運営に関わるのですが、来場者の方に楽しんでいただくには、まず私たち自身が楽しむことが大切だと考えています。普段の業務とは全く異なるイベントのため、準備は手探りで大変なこともありますが、地域の方々と交流できる機会は貴重ですし、皆様の笑顔を見られることが何より嬉しいです。

舩野さん：そうですね。通常、斎場は「お別れの場」のため笑顔に触れる機会は少ないです。しかし、この日だけは特別です。来場者の皆様全員が笑顔で、楽しい思い出となるよう、私たちも笑顔で接することを心がけています。

地域に根ざし、開かれた斎場を目指して

__来場した方の反応や感想はいかがですか？

浜田さん：私は毎回受付を担当していますが、親子連れから三世代でいらっしゃる方まで、本当に幅広い年齢層の方々にお越しいただいています。「広報しながわ」や町会・自治会のお知らせを見て、休日の家族のお出かけ先として選んでくださる方も多いんです。スキップしながら来てくれるお子さんを見ると、こちらも自然と笑顔になってしまいます。後日、弊社のホームページのお問合せフォームに感想やお礼の連絡をいただくこともあり、地域の方々に楽しんでいただけていることがよくわかります。

舩野さん：「中が綺麗で明るくてびっくりした。斎場のイメージが変わった」というお声を多くいただきます。アンケートでも斎場見学の人気が高く、当日の皆様の反応を間近で見ていると、斎場を好意的に受け止めていただいているという実感があります

浜田さん：斎場見学以外にも、地域の店舗で仕入れた野菜の詰め放題は開場前から行列ができるほどの人気です。セミナーやワークショップも大変好評で、特にお子さんたちが興味津々で参加する姿が印象的です。講師の方々は参加者の目線に立って、わかりやすく面白く伝えてくださいます。来場者の皆様が地域の様々な団体を知り、地域社会について考えるきっかけとなっていれば幸いです。「地域感謝の集い」を通じて、近隣地域とのつながりの強化に少しでも貢献できていれば、とても嬉しく思います。