しながわパワースポット巡りin目黒(はなぐるま 149号)

大圓寺
第149号(2020.8.20発行)
目黒駅西口から行人坂を少し下った左手の「大圓寺」、さらに隣接する「雅叙園の滝」、「お七の井戸」は最近は訪れる人も多いパワースポットです。紙面でご紹介しますので良かったら足をお運びください。

大圓寺

 大圓寺は、江戸時代初めに湯殿山修験道の行者大海が創建したと言われます。1772年(明和9年)2月に発生した「行人坂火事」(振袖火事、芝車町火事とならび江戸三大火事の一つ)で焼失したが、幕府から再建の許可が得られず、幕末の1848年薩摩藩主島津家の帰依を得てその菩提寺として再建されており、明治に入って隣接した明王院がこの寺に統合されています。

 門を入るとすぐ左手に整然と並んだ523体の五百羅漢像が目に飛び込んできます。これは行人坂大火の犠牲者を供養するための石仏群ですが、見る人を圧倒するほどの迫力を感じさせます。

 また阿弥陀堂にはお七地蔵と西運上人(小姓吉三がお七の菩提を弔うために名王院に出家した僧名)の像が祀られています。本尊の開運招福大黒天は徳川家康の顔を模して天海上人が彫ったとの説もあります。寺にはその他数々の仏像や供養碑などが所狭しと並んでいて、さながら文化財の宝庫とも言える素晴らしい印象でした。   

  (編集委員 久保田)

雅叙園の滝

 雅叙園は日本初の総合結婚式場で、ホテル、レストランカフェなども併設されています。

 正面玄関を入ると、左側に百段階段の入り口があります。この階段を利用して、季節によって様々な催しものが開催されます。右手に沿って進んでいくと、内部は末広がりの扇、実りの壁画、縁結びの紋やオブジェなど縁起の良いモチーフが多数展示されていて、これだけでも一見の価値があります。

 通路中ほどの左側にカフェラウンジがあり、ガラスばりの壁をとおして滝がみえます。人工の滝なのですが、ここがパワースポットになっています。カフェの周りは水路になっていて鯉もたくさん泳いでいました。滝のある庭園にでることもでき、滝の裏側を通り抜けて一回りすることができます。この水路が結界になっていて、滝のところに光の柱のエネルギーがみえ、アイディアや閃きを与えてくれ、人との縁を結んでくれるのだそうです。

雅叙園の滝

                                   (編集委員 服部)

お七の井戸

 大圓寺の隣にあるホテルの雅叙園東京の敷地に足を踏み入れてすぐのところに、縁を一メートル四方ほどの御影石で囲み、竹の蓋をした井戸があります。事故防止のため、現在は地上から50センチメートルくらいまで土砂で埋められている井戸は、江戸時代の作家・井原西鶴の浮世草子で有名な、本郷の八百屋の娘お七が想いを寄せた吉三郎(吉三とも言う。お七が恋人に会いたさに自宅に放火した罪で鈴ヶ森で処刑された後、出家して西運と名を改める)が、お七の菩提を念じて行に出かえる前に水垢離(みずごり。神仏に祈願するときに冷水で身を清める行為)を行った、という説で「お七の井戸」として今日に言い伝えられています。

 井戸のそばに立てられている説明板によると、この地には明治13年頃までには明王院という寺院があり、その境内に井戸があったそうです。

 大圓寺およびお七の井戸を含むホテル雅叙園一帯に立つと、身が引き締まるような感じがするのは、この地がパワースポットと言われているためでしょうか。

お七の井戸

(編集委員 中村)

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