品川区長期基本計画策定委員会に参加して(はなぐるま 147号)

会議の様子
第147号(2020.2.20発行)

 「人」が先か、「地域」が先か。これは昨年9月の品川区長期基本計画策定委員会で話された内容です。「4つの視点と3つの政策分野(人、地域、安全)」という大きな枠組み、その内容について様々に意見が交わされてきた最後の最後に改めてどちらが先にくるべきかという議論になりました。

 私は「一般的には「人」が先は当たり前ではないか。品川区らしい長計の柱とするなら敢えて「地域」が先と打ち出してはどうか」と意見を述べました。委員会で意見を述べるのは毎回、大変勇気が要りましたが、伝えたいと思った瞬間、手を挙げていました。全体の委員会を通じて意見交換が行われたこの議論は、立場や考え方、身をおく環境などの違いから、決着がつくことはないだろうと感じています。


 品川区長期基本計画策定委員会は2020年から10年間の品川区が目指すべき方向を示す新たな計画の策定に向けて活発な意見交換をし、区長に対して答申する役割で設置されました。私は委員の1人として2019年の1年間、委員会の行われた区役所に通いました。きっかけは若い人の意見を区政に届けてはどうかと知人に勧められたことで、公募区民として参画しました。

 委員32名(学識経験者、区内関係団体の代表者等、公募区民、区議会議員、区職員)に 参与9名(学識経験者)という大所帯且つ、そうそうたる方々が集まる委員会に初めて出席した時、自分は場違いではないかと正直恥ずかしくなりました。

 しかし、委員の方がそれぞれの立場から、案件の大小に関係なく率直な意見を述べられる様子を見て、この場で自分ができ得る限りのことをやろうと考えるようになり、自身が特に興味を持つ子育てや地域について意見を述べました。

 委員会を通じて印象的だったことは委員長の青山佾先生(都市調査会代表、元東京都副知事)の「長期計画に対して実施したパブリックコメントで593件が寄せられたが、こんなに多数の意見が寄せられることはあまりなく、品川区民の区政への意識の高さを示している」というお話です。

 今後はこれまで自分が意識をしてこなかったこと、中でも空き家や単身世帯、昼夜間人口の推移などを念頭に置いて、区政がどのように進められるかを見守っていきたいと思います。
 長期計画は今年4月以降に冊子が完成する予定です。「4つの視点と3つの政策分野」他、是非ご覧になってみてください。

●品川区長期基本計画とは?

 訪れたい、住みたい、住み続けたいと思える魅力的で持続可能な品川区を築くためには、今後大きく変化していくであろう将来の動向を踏まえ、4つの視点から策定をしています。①超長寿社会に対応する視点②多文化・多様な生き方を尊重する視点③強靭で魅力あるまちを未来につなぐ視点④先端技術を活用して課題解決と発展を図る視点。この4つの視点と世論調査などから浮かび上がる区民のニーズに基づき、取り組むべき施策を分かりやすく示すため、「地域」・「人」・「安全」の3つの政策分野で構成し、相互に連携を図りながら多様化する区民ニーズにこたえる取り組みを進めていきます。

答申文を手交 青山委員長と濱野区長


            (編集委員 清水) 

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