未来を生きる子どもたちのために(はなぐるま 142号) 

コミュニティ・スクール
第142号(2019.4.20発行)

 お子さんやお孫さんが在校していないと、ほとんど縁のない「学校」。「今、どんな教育がなされているのか」関心は持ってもなかなか接点は持ちにくいですよね。その学校が、今、少しずつ変わり始めています。今号は、学校の変化の一つ「品川コミュニティ・スクール」について、ご紹介します。

●コミュニティ・スクールって何?

 今、皆さんがお持ちのスマートフォン。十年前、多くの方は携帯電話(いわゆるガラケー)でした。アイフォンが日本で売り出されて丸十年。その間の社会の変化には目を見張るばかりです。では、今、小・中学生の子どもたち、今、生まれた赤ちゃんが成人した時、すなわち十年後、二十年後の日本はどうなっているのでしょうか。

 このように予測が難しく、変化の激しい社会を子どもたちは生き抜いていかねばなりません。変化に耐えうるために必要な力とはどのようなことでしょうか。その力を育むために「学校」は、「地域」は、「保護者」はどのようなことに取り組めばよいのでしょうか。それらを「学校」を核に、共に考え、協力しあい、協働していく仕組みが、「コミュニティ・スクール」であり、文部科学省が全国の公立学校に設置を求めています。区内でも3年前より順次指定し、平成30年度、全区立学校が「品川コミュニティ・スクール」としてスタートを切りました。


●品川コミュニティ・スクールで何をしているの?

 先ほど挙げた課題を、校長と共に考え、協働する方々が「校区教育協働委員」です。卒業生、保護者、地域で活動されている方や団体の方、弁護士など専門職の方、子どもたちを中心に連携する関係諸機関の職員など多様な方々で構成され、全体をまとめるのが、大学教授等の先生方にお願いしている委員長です。

 そして、この「校区教育協働委員会」で話されたことを実行していくのが、「学校支援地域本部」です。協働委員でもある「学校地域コーディネーター」が、アシスタントコーディネーターと共に「学校」と「支援して下さる方々・団体」をつなぎ、日々様々な活動に取り組んでいます。実際にどのようなことに取り組んでいるかは、学校や地域の特色、協働委員会の方針次第です。

●コミュニティ・スクールで何が変わるの?

 まだスタートを切ったばかりの品川コミュニティ・スクールですが、先生方や子どもの卒業などの「人」の異動の影響を少なくし、持続的な協働体制が整えられることで、以下のことが実現できると考えられます。

・子どもにとって 
  多様な学びや体験ができ、社会で生きる準備ができる
  地域に愛着を持てるようになる
  自己肯定感(注)や他人を思いやる心を養える
  (注)「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態

・学校にとって  
  地域が応援してくれる安心感がもてる
  学校運営に多様な意見・価値観を反映させることができる
  教育活動を充実させることができる
  教員の子どもに向かう時間を増やせる

・保護者にとって 
  学校や地域への理解が深まる
  地域の中で子どもたちが育てられている安心感が持てる
  地域の方々とコミュニケーションが取りやすくなる

・地域にとって  
  地域の拠点を持てる
  地域の教育力の向上(個人のやりがい、ネットワーク)を図 
  れる
  地域に愛着を持つ住民の増加を図れる

 地域の子どもたちを「社会の宝」として、その学び・育ちにこれまで以上に関心をお持ちいただき、温かい目で見守り、時には無理のない範囲内でお力添えをいただければありがたく存じます。

 詳細については、「品川コミュニティ・スクール」のパンフレットをご覧ください。
パンフレットは、ホームページ上でも公開しています。

コミュニティ・スクール詳細

 
 

(品川区教育委員会事務局指導課付学校地域コーディネーター外山愛理・池田山町会)

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