目黒川は世田谷区に源を発し、世田谷、目黒、品川の3区を流れ東京湾に注いでいます。はなぐるまでは、目黒川の源流から東京湾に注ぐまでを何号かにわたり特集したこともあります。
昭和30年代初めころまでは、この川で友禅流しもおこなわれ、かつては魚釣りや水遊びで賑わい、蛍も飛び交う清流だったそうです。が、その反面川幅が狭く水深も浅かったため、大雨が降るたびに川の流れが変わるほど氾濫し、暴れ川と異名をとるほどだったそうです。そのため護岸工事が繰り返され、昭和12年には船が運航できる運河として完成し、曲がりくねっていた川の流れもほぼ現在と同じように真っすぐになったようです。
昭和2年に始まった川沿いの桜の植樹も護岸工事のたびに記念として植えてゆき現在の桜並木を生むきっかけとなりました。今では品川区と東京都により廃止された荏原市場(昭和11業務開始)跡地に地上部が高齢者複合施設(大崎第一地域センターが在する施設)や都営住宅、地下に4層構造の貯留施設の「目黒川荏原調節池」という、貯水槽も完備し、大雨が降って増水することはあっても氾濫することはなくなりました。
現在五反田の大崎橋付近では舟運事業の拠点となる桟橋を整備する工事がおこなわれています。この桟橋は観光船などが発着できるリバーステーションとして利用し、災害時には防災桟橋として活用するとされています。オープンは平成31年12月です。春には800本以上の桜が咲き誇り、冬には五反田水辺ひろばから居木橋まで冬の桜が夜空を彩り多くの人を楽しませてくれています。
(編集委員 服部)